○三好市ストレスチェック制度実施規程
平成28年8月30日
訓令第6号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 実施体制(第4条―第7条)
第3章 実施方法
第1節 ストレスチェック(第8条―第16条)
第2節 医師による面接指導(第17条―第21条)
第3節 集団ごとの集計・分析(第22条―第24条)
第4章 記録の保存(第25条―第28条)
第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理(第29条―第32条)
第6章 情報開示、訂正、追加及び削除と苦情処理(第33条―第35条)
第7章 不利益な取扱いの防止(第36条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、三好市の職員に対し、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の10の規定に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)を実施することについて、同法及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(適用範囲)
第2条 この規程は、次に掲げる職員に適用する。
(1) 期間の定めのない労働契約により雇用されている正職員(他の執行機関等へ出向等している職員を含む。)
(2) 期間を定めて雇用されている職員のうち、1週間の所定労働時間が正職員の4分の3以上で、1年以上の雇用実績(見込みを含む。)がある職員
(制度の周知)
第3条 市長は、次に掲げるストレスチェックの制度の趣旨等を職員に周知する。
(1) ストレスチェックは、職員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものであること。
(2) 職員がストレスチェックを受ける義務まではないが、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、全ての職員が受けることが望ましいものであること。
(3) ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく市長が結果を入手するようなことはないため、ストレスチェックを受けるときは、正直に回答することが重要であること。
(4) 職員が面接指導を申し出た場合や、ストレスチェックの結果を市長に提供することに同意した場合に、市長が入手した結果は、本人の健康管理の目的のために使用し、それ以外の目的に利用することはないものであること。
第2章 実施体制
(ストレスチェックの所管部署)
第4条 ストレスチェックの実施計画の策定及び当該実施計画に基づく実施の管理等の実務を実施する部署は、総務部総務課とする。
(ストレスチェックの実施者)
第5条 ストレスチェックの実施者は、市長が委託した心療内科・精神科の専門医(以下「専門医」という。)とする。
(ストレスチェックの事務従事者)
第6条 実施者の指示のもと、ストレスチェックの実施事務従事者として、衛生管理者及び総務課職員に、ストレスチェックの実施日程の調整・連絡、調査票の配布、回収、データ入力等の各種事務処理を担当させる。
2 前項における事務処理は、委託により行うことができるものとする。
3 職員の人事に関して権限を有する者は、これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事できないものとする。
(面接指導の実施者)
第7条 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、専門医が実施する。
第3章 実施方法
第1節 ストレスチェック
(実施時期)
第8条 ストレスチェックは、毎年7月から10月の間のいずれかの1週間の期間に設定し、実施する。
(対象者)
第9条 ストレスチェックは、第2条に規定する職員を対象に実施する。
2 ストレスチェック実施期間中に、出張等の業務上の都合によりストレスチェックを受けることができなかった職員に対しては、別途期間を設定して、ストレスチェックを実施するものとする。
3 ストレスチェックの実施期間中において、産前産後休暇、育児休暇、病気休暇、休職中等の職員については、ストレスチェックの対象外とする。
(受検の方法等)
第10条 職員は、専門の医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、市長が設定した期間中にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
2 ストレスチェックは、職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることから、ストレスチェックにおいて職員は自身のストレスの状況をありのままに回答するよう努めなければならない。
3 市長は、全ての職員がストレスチェックを受けられるよう、実施事務従事者又は各職場の所属長を通じて受検の勧奨を行うものとする。
(調査票及び方法)
第11条 ストレスチェックは、別紙1の調査票(職業性ストレス簡易調査票)を用いて紙媒体で行う。
(評価方法及び高ストレス者の選定方法)
第12条 ストレスチェックの個人結果の評価は、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)(以下「マニュアル」という。)に示されている素点換算表を用いて換算し、その結果をレーダーチャートに示すことにより行う。
2 高ストレス者の選定は、マニュアルに示されている「評価基準の例(その1)」に準拠し、以下のいずれかを満たす者を高ストレス者とする。
(1) 「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が12点以下である者
(2) 「仕事のストレス要因」(17項目)及び「周囲のサポート」(9項目)を合算した合計点数が26点以下であって、かつ「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が17点以下の者
(結果の通知方法)
第13条 ストレスチェックの個人結果の通知は、実施者の指示により、実施事務従事者が、封筒に封入し、紙媒体で通知する。
(セルフケア)
第14条 職員は、ストレスチェックの結果及び結果に記載された実施者による助言・指導に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めなければならない。
(市長への結果提供に関する同意)
第15条 実施者は、ストレスチェックの結果を各職員に通知する際に、その結果を市長に提供することについて同意するかどうかの意思確認を行うものとする。
2 前項の場合において、市長に対する結果の提供に同意する職員は、別紙2の同意書を実施者に提出しなければならない。
3 実施者は、前項の同意書を受理したときは、当該同意書に係る職員のストレスチェックの結果の写しを市長に提供するものとする。
(ストレスチェックに要する時間の取扱い)
第16条 ストレスチェックを受けるのに要する時間は、勤務時間として取り扱う。
2 職員は、勤務時間中にストレスチェックを受けるものとし、所属長は、職員が勤務時間中にストレスチェックを受けることができるよう配慮しなければならない。
第2節 医師による面接指導
(面接指導の申出の方法)
第17条 ストレスチェックの結果、実施者により医師による面接指導(以下「面接指導」という。)を受ける必要があると判定された職員が、面接指導を希望する場合は、ストレスチェックの結果の通知を受け取ってから30日以内に、別紙3の面接指導申出書を実施者に提出しなければならない。
2 ストレスチェックの結果、実施者により面接指導を受ける必要があると判定された職員から、結果通知後30日以内に面接指導申出書の提出がなされない場合は、実施者の指示により、実施事務従事者が、該当する職員に面接指導の申出の奨励を行う。
3 実施者は、結果通知から30日を経過する前日(当該日が休業日である場合は、それ以前の最後の勤務日)に、実施者の指示により、実施事務従事者が、該当する職員に対し、面接指導に関する最終的な意思確認を行う。この場合において、実施事務従事者は、第三者にその職員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。
(面接指導の実施方法)
第18条 面接指導の実施日時及び場所は、面接指導を実施する実施者の指示により、実施事務従事者が、該当する職員及び所属長に通知する。
2 面接指導の実施日時は、面接指導申出書が提出されてから、30日以内に設定する。この場合において、実施事務従事者は、該当する職員に実施日時及び場所を通知するときは、第三者にその職員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。
3 通知を受けた職員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、所属長は、職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
4 面接指導を行う場所は、専門医の勤務先とする。
(面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法)
第19条 市長は、実施者に対して、面接指導の終了後30日以内に、別紙4の面接指導結果報告書兼意見書により、面接指導の結果の報告及び意見の提出を求める。
(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)
第20条 面接指導の結果、実施者から就業上の措置が必要との意見書が提出され、人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合は、市長の指示のもと秘書人事課の所属長が、専門医同席の上で、該当する職員に対して、就業上の措置の内容及びその理由等について説明を行う。
2 職員は、正当な理由がない限り、市長が指示する就業上の措置に従わなければならない。
(面接指導を受けるのに要する時間の取扱い)
第21条 面接指導を受けるのに要する時間は、勤務時間として取り扱う。
第3節 集団ごとの集計・分析
(集計・分析の対象集団)
第22条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析は、原則として、課ごとの単位で行う。ただし、5人未満の課については、同じ部署に属する他の課と合算して集計・分析を行う。
(集計・分析の方法)
第23条 集団ごとの集計・分析は、マニュアルに示されている仕事のストレス判定図を用いて行う。
(集計・分析結果の利用方法)
第24条 実施者は市長に対し、課ごとに集計及び分析したストレスチェックの結果(個人のストレスチェック結果が特定されないものに限る。)を提供する。
2 市長は、課ごとに集計・分析された結果に基づき、必要に応じて、職場環境の改善のための措置を実施するとともに、必要に応じて集計・分析された結果に基づいて所属長に対して研修を行う。職員は、市長が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。
第4章 記録の保存
(ストレスチェック結果の記録の保存担当者)
第25条 ストレスチェック結果の記録の保存担当者は、第6条で実施事務従事者として規定されている総務課職員とする。
(ストレスチェック結果の記録の保存期間・保存場所)
第26条 ストレスチェック結果の記録は、総務課内の金庫等において5年間保存する。
(ストレスチェック結果の記録の保存に関するセキュリティの確保)
第27条 保存担当者は、保管されているストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう、責任をもって管理をしなければならない。
(ストレスチェック結果・面接指導結果の保存方法)
第28条 市長は、職員の同意を得て提供されたストレスチェック結果の写し、実施者から提供された集団ごとの集計・分析結果、面接指導を実施した専門医から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)を、5年間保存する。
2 市長は、第三者に庁舎内に保管されているこれらの資料が閲覧されることがないよう、責任をもって管理をしなければならない。
第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理
(ストレスチェック結果の共有範囲)
第29条 職員の同意を得て市長に提供されたストレスチェックの結果の写しは、総務課内のみで保有し、他の部署の職員には提供しない。
(面接指導結果の共有範囲)
第30条 市長は、面接指導を実施した専門医から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)を、総務課内のみで保管し、そのうち就業上の措置の内容など、職務遂行上必要な情報に限定して、該当する職員の所属長に提供する。
(集団ごとの集計・分析結果の共有範囲)
第31条 実施者から提供された集計・分析結果は、総務課で保有するとともに、課ごとの集計・分析結果については、当該課の所属長に提供する。
2 課ごとの集計・分析結果とその結果に基づいて実施した措置の内容は、三好市安全衛生委員会に報告する。
(健康情報の取扱いの範囲)
第32条 ストレスチェック制度に関して取り扱われる職員の健康情報のうち、診断名、検査値、具体的な愁訴の内容等の生データや詳細な医学的情報は、実施者が取り扱わなければならず、市長に関連情報を提供する際には、適切に加工しなければならない。
第6章 情報開示、訂正、追加及び削除と苦情処理
(情報開示等の手続)
第33条 職員は、ストレスチェック制度に関する情報の開示等を求める際には、文書を市長に提出しなければならない。
(苦情申立ての手続)
第34条 職員は、ストレスチェック制度に関する情報の開示等について苦情の申し立てを行う際には、文書を市長に提出しなければならない。
(守秘義務)
第35条 職務を通じて、職員のストレスチェックの結果その他当該職員の健康に関する情報を知り得た者は、その内容を他人に漏らしてはならない。
第7章 不利益な取扱いの防止
(市長が行わない行為)
第36条 市長は、ストレスチェックに関して、次に掲げる行為を行わないことを職員に周知する。
(1) ストレスチェック結果に基づき、医師による面接指導の申出を行った職員に対して、申出を行ったことを理由として、当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(2) 職員の同意を得て市長に提供されたストレスチェック結果に基づき、ストレスチェック結果を理由として、当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(3) ストレスチェックを受けない職員に対して、受けないことを理由として、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(4) ストレスチェック結果を市長に提供することに同意しない職員に対して、同意しないことを理由として、当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(5) 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず、面接指導の申出を行わない職員に対して、申出を行わないことを理由として、当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(6) 就業上の措置を行うに当たって、医師による面接指導を実施し、面接指導を実施した専門医から意見を聴取するなど、労働安全衛生法及び労働安全衛生規則に定められた手順を踏まずに、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(7) 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置を行うに当たって、面接指導を実施した専門医の意見と、その内容・程度が著しく異なる等実施者の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないもの、職員の実情が考慮されていないものなど、労働安全衛生法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(8) 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置として、次に掲げる措置を行うこと。
ア 分限処分とすること。
イ 期間を定めて雇用される職員について、任用の更新をしないこと。
ウ 退職勧奨を行うこと。
エ 不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位(役職)の変更を命じること。
オ その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じること。
附 則
この訓令は、平成28年9月1日から施行する。