○三好市文化財保護条例
平成18年3月1日
条例第107号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 文化財保護審議会(第4条―第12条)
第3章 指定及び選定並びに解除(第13条―第15条)
第4章 管理、保存及び公開(第16条―第37条)
第5章 補則(第38条)
第6章 罰則(第39条―第42条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、三好市内に所在する文化財を保存し、かつ、その活用を図りもって市民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 三好市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 文化財保護審議会
(設置)
第4条 教育委員会に三好市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第5条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項に関して教育委員会に建議する。
(組織)
第6条 審議会は、委員20人以内で組織する。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
第7条 委員及び臨時委員は、学識経験のある者及び関係行政機関の職員のうちから、教育委員会が委嘱する。
第8条 委員の任期は、2年とし、その欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わったときは、退任するものとする。
3 委員及び臨時委員は、非常勤とする。
(会長等)
第9条 審議会に、会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は、審議会の会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(議事)
第10条 審議会は、委員の過半数が出席しなければ議事を開き、議決をすることができない。
2 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(部会)
第11条 審議会に、教育委員会規則の定めるところにより、部会を置くことができる。
(庶務)
第12条 審議会の庶務は、教育委員会において処理する。
第3章 指定及び選定並びに解除
(指定)
第13条 教育委員会は、市の区域内に存する文化財(法及び文化財の保護に関する条例(昭和32年徳島県条例第23号。以下「県条例」という。)により指定された文化財を除く。)のうち市にとって重要なものを、次に掲げる各号のいずれかに指定することができる。
(1) 三好市指定有形文化財
(2) 三好市指定無形文化財
(3) 三好市指定有形民俗文化財
(4) 三好市指定無形民俗文化財
(5) 三好市指定史跡名勝天然記念物
4 教育委員会は、第1項第2号の指定をした後においても、当該文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(選定)
第14条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で、文化財の保存のために欠くことのできないもの(法又は県条例により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち市として保存の措置を講ずる必要があるものを三好市選定保存技術として選定することができる。
(解除)
第15条 市指定の文化財又は市選定保存技術が、市指定の文化財又は市選定保存技術としての価値を失った場合、その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定又は選定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体又は保存団体がその構成員の異動のため保持団体又は保存団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。
4 市指定の文化財又は市選定保存技術が法又は県条例による指定又は選定があったときは、当該市指定又は選定は解除されたものとする。
6 保持者が死亡したとき、又は保持団体若しくは保存団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体若しくは保存団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡し保持団体又は保存団体のすべてが解散したときは、当該市指定の文化財の指定又は市選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
第4章 管理、保存及び公開
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第16条 市指定有形文化財及び市指定有形民俗文化財並びに市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該市指定の文化財を管理しなければならない。
2 市指定有形文化財及び市指定有形民俗文化財並びに市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり、当該市指定の文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も、同様とする。
4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。
(標識等の設置)
第17条 市指定史跡名勝天然記念物について教育委員会は、所有者の同意を得て、当該市指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。
(所有者の変更等)
第18条 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第19条 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第20条 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。
(保持者の氏名変更等)
第21条 市指定無形文化財又は市指定無形民俗文化財若しくは市選定保存技術の保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときその他教育委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体又は保存団体が名称、事務所の所在地、若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(解散した場合にあっては、代表者であった者)について同様とする。
(土地の所在等の異動の届出)
第22条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地についてその土地の地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理の補助)
第23条 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合、その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(1) 管理又は修理に関し条例、規則又は教育委員会規則に違反したとき。
(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
(3) 前条第2項の補助の条件に従わなかったとき。
(管理又は修理に関する勧告)
第25条 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の管理が適当でないため、当該指定文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。
(有償譲渡の場合の納付金)
第26条 市が修理又は管理に関し必要な措置(以下この条において「修理等」という。)につき、第23条第1項の規定により補助金を交付し、又は前条第3項の規定により費用を負担した市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物(以下この条において「市指定の文化財」という。)のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(以下この条において「所有者等」という。)は、補助又は費用負担に係る修理等が行われた後当該市指定の文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金又は負担金の額の合計額から当該修理等が行われた後当該市指定の文化財の修理等のため自己の費した金額を控除して得た金額を市に納付しなければならない。
2 前項に規定する「補助金又は負担金の額」とは、補助金又は負担金の額を、補助又は費用負担に係る修理等を施した市指定の文化財につき教育委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、更に、当該耐用年数から修理等を行った時以後当該市指定の文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(1年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。
3 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該市指定の文化財を市に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、市は、第1項の規定により、納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。
(現状変更等の制限)
第27条 市指定有形文化財又は市指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
第28条 市指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
2 市指定有形文化財又は市指定史跡名勝天然記念物の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言をすることができる。
(無形文化財などの保存)
第30条 教育委員会は、市指定無形文化財又は市指定無形民俗文化財若しくは市選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、これらについて自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)
第31条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、市は、適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(市指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)
第32条 教育委員会は、市指定無形文化財又は市指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
(公開)
第33条 教育委員会は、市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財の所有者に対し、6箇月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は、市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財の所有者に対し、3箇月以内の期限を限って、当該市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財の公開を勧告することができる。
4 市は、第1項の規定により出品した所有者に対し、給与金を支給することができる。
5 教育委員会は、第1項の規定により市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければいけない。
6 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。
第35条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し市指定無形文化財の公開を、市指定無形文化財又は市指定無形民俗文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
3 市は、第1項の規定による市指定無形文化財又は市指定無形民俗文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(調査)
第36条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の所有者又は管理責任者に対し当該市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第37条 市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市指定有形文化財又は市指定有形民俗文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該市指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第5章 補則
(施行規則)
第38条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
第6章 罰則
(罰則)
第39条 市指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。
第40条 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。
第41条 第30条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、市指定有形文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は1万円以下の罰金若しくは科料に処する。
第42条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前3条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し各本来の罰金又は科料刑を処する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月1日から施行する。
3 この条例の施行の日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。